木村剛『投資戦略の発想法―ゆっくり確実に金持ちになろう』

投資戦略の発想法―ゆっくり確実に金持ちになろう

投資戦略の発想法―ゆっくり確実に金持ちになろう

そんなときに読んでいたのがこの本。投資戦略、と題名にあるからには、どういう金融取引のテクニックがあるのか、という射幸心にも似た感情がわきあがってくるかもしれない。
しかし、その内容は、至ってシンプルである。投資戦略は小手先の技術ではなく、将来の家族生活を守る危機管理である。まずは自分の支出と収入の全体を把握し、ある程度貯蓄し借金を返すことで、生活防衛資金を作る。それにより心の安定も得られ、長期的な視野を持って、うまい話にだまされること無く、自分の投資を考えられる、というものである。その話が、第一部の準備編として語られている。その後、理論・戦略・戦術と展開していくが、準備編だけで、そのエッセンスは十分語られている。
このエッセンスが別の事柄を考える際にも役立つと思う。自分の意思で実行できる(この本で言えば、消費をコントロールする)ことにより、短期的にも長期的にも状況を改善することができる。そんなことを、内門氏のレコード会社の経費のかけ方に対する疑問提示と結びつけて考えた。