ものの言い方 3

(昨日からさらに続く)

そして、私の先輩同僚Cさんには、突然、協働しているチームのDさんから、「宿題の締め切りがあるので、資料を送ってください」というメールが飛び込んできた。その資料は、たしかに私たちが作っているが、それは、Dさんのチームがさらに自分のところで、すでに更新してあるべき資料なのである。(そして、その資料を私たちが引き継ぐ)

先輩同僚が、「意図がよくわからない」と返信すると、「それはtnbさんが(先輩が欠席した会議の)議事録メモに書いていたはずです。」とさらにメールが来た。いや、たしかに私が議事録メモ書いたけどさ、そんな資料を送る、なんてどこに書いてあるんだ?

マネージャーとともに話した結果、マネージャーは、「この一連のメールにまともに返信するのはやめる。彼らは正直言って現場の仕事がわかってないんだと思う。だから資料送れ、としか言えない。それで自分で作らないからますますわからなくなる悪循環だ。こんな働きでいいのか、と彼らの上司にクレームを出す。」という結論になった。

次の日、Cさんが私に言った。「tnbくん、こういうメール、Dさんに返信しちゃった」

それは、Dさんがやるべき仕事の一覧表だった。そして、「Dさん(つまり、Dさんの宿題の提出相手)がほしいのは、こういう資料ではないですか?」と、その一覧表のアップデートの仕方まで、すべて説明してあるのだった。

ケンカを売るのではなく、フォローする形をとりながらも、間接的に「あなたのこのプロジェクト内での存在意義は何ですか?」という疑問を投げかけている。思わず、「勉強になる」フォルダを作って、メールを保存してしまったぞ。

自分の仕事を把握して、それを着実に実施する、とか、言うべきことを状況を把握してきちんと言う、というのは、ごく常識的なこと、と誰もが認識する。しかし、現実的には、それらは得がたい才覚なのではないか、と思わずにはいられなかった。

(この項、終わり)

図解 マナー以前の社会人常識 (講談社+α文庫)

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