追体験

休みに会社の先輩社員二人と合流した。喫茶店で昼食をとり、一人が会議のために立ち去り、二人になった。

そういえば、Aさんは休みなんですか。
「そう、有給休暇とって就職フェアに行った」
何か考えてるんですか?
「まあ、冗談半分だろ」
でも、半分は本気ってことですよね。
「Aも30代半ばだからな。タイミングとしてはいいだろ。よそに行っても即戦力になるし。」

ちなみに、Aさんは協力会社の会社員だが、あちこちの会社のプロジェクトを渡り歩くように働いている。

「まあ、40歳過ぎると、求人の声もなくなるよな。とくにゼネラリストは。俺は40前に今の会社に入って、あちこちのプロジェクト選べるようにしたんだよ。そのほうが自分に合ってるから。もし大企業の正社員になってたら、100%出資の子会社に移らされて、今頃はさらに50%出資の子会社で、やりたくない仕事も無理やりやってたと思うよ。レールから1メートルもずれられないような。」

何か昨日の「働く」ということのトーク・セッションをもう一度聴いているような、そんな気分だった。

労働形態については、IT業界ではいろいろとまことしやかに言われてきた。かつては、プログラマー35歳限界説、さらにSE35歳限界説。しかし、のんきな私は、まだそれらの検証は一度もしていない。なぜ、そして本当にそうなのか?

昨日(id:atnb:20071111)、「ただ自分の中でもっと優先順位が上の方に来るものがあるはずで、それらと結びつけてこのラジオの放送を聴きたい、と思っているだけだ。」と書いた。『文化系トークラジオ Life』の場合は、「失われた10年」という言葉から発生する、様々な事柄の真偽を解き明かそうとしているが、私の場合は、IT業界で働く中で聴こえてくる閉塞的な状況の言葉を自分なりに検証することが、それにあたるのか。村上龍がよく言っていた、「騙されてはいけない」という言葉も同時に思い出す。

よくわからなくなった。ほかの人にわかるように説明してくれ、と言われても無理かもしれない。ただ単に不安なだけかもしれない。

SEの35歳の壁 ―その乗り越え方

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