てるひこ

またまた京都出張である。

仕事をして帰るだけなので、神社仏閣を訪れることはなく、「そうだ、京都行こう」という気にはならない。でも、寺社から離れた京都駅付近の市街地は静かで、食事時には、あちこちの料理屋に出かけるのが、それなりに楽しみになる。
写真は、「葱(ねぎ)や平吉」という店である。連れて行かれたときは、戦慄が走った。でも、ねぎは別盛りだったので安心。それよりも、30分も待たされたことのほうが辛かった。でも、ここのカレーうどんは、味がまろやかで記憶に強く残った。


その日は、日帰りのつもりが、仕事が片付かず、宿泊することが決定したので、鴨川付近の和食居酒屋で、プロジェクトのメンバー数人と夕食をとることになった。

その店は、靴を脱いであがる板の間の造りで、店内は明るく、静かなジャズが流れ、いくつかのお座敷テーブル席と、カウンター席が寄り集まっていて、さほど広くない。

自分たち以外の客は、カウンター席には、カップルと、3人組がひとつ。テーブル席について、わずか数メートル先のカウンターを眺めていると、どうもその3人組が気になって仕方なかったが、すぐにその理由がわかった。

ね、ね、あのカウンターの真ん中に座っている人、あおい輝彦ですよね。
同僚「えー、そうかなあ、似てないだろ。」
いや、絶対本人ですって。ほら、声もそんな声してますもん。
同僚「あおい輝彦って、あしたのジョーだろ、違うんじゃない?」
でも、あのたたずまいは、そうですって。それに、京都なら太秦の撮影所だってありますからね。
同僚「ふーん、でも、よくわかったね。」
なぜか、芸能人や有名人をすぐに見つけることが多いのですよ。最近だと、お台場で、オリエンタルラジオを見つけました。ふふん。

芸能人であることはすぐわかった。ご本人もさることながら、その隣に座る若い女性と、その反対側に座る高齢の男性は、どちらもやけに溌剌とした話し方で、姿勢もいい。いかにも舞台関係者、という独特の雰囲気だったのだ。うーむ、やっぱり緊張感が魅力となって外に出てくるものなのか。

席にお酒(自分だけあとでまだ仕事があるので、ノンアルコール)が運ばれてきて乾杯し、自分たちも料理をつつきながら話し始めた。でも、片方の耳では、あおい輝彦(と思われる人)の話に聞き耳を立てていた。

ね、やっぱり、あおい輝彦ですよ。舞台の千秋楽がどうとか言ってるし、「えみり」って言葉も聞こえたし。

同僚「えみり? ね、それって西郷輝彦じゃないの?」

ん?
…。
辺見えみり辺見マリ西郷輝彦
…。
しまったあっ!!!

同僚「なーんだ、勘違いしたのか(笑)、でも、まだ僕にはよく似てる人にしか見えないなあ」
…。(あまりの基本的なミスにショックを受ける)
同僚「ねえ、どうしたの?」
…。(あ、この前のオリエンタルラジオ、実はおぼんこぼんだったんじゃ…)
同僚「大丈夫? ほら、サワラのうにチーズ焼きが来たよ」
いただきます。ぱくぱくぱく。あ、すみません、先に取っちゃって。

サワラのおかげで、心の平静を取り戻し、照れ笑いしながら、私はノンアルコールカクテルを飲み続けた。ほかのみんなは、もう仕事が終わっているので、ビールをぐいぐい飲んだりしている。ちっ。
それにしても妙に恥ずかしいぞ。酒も入っていないというのに、この間違いは。輝彦め、よくも恥をかかせてくれたな!(典型的逆ギレ)

しばらくして、まだ芝居の話を続けている西郷(≠あおい)輝彦一行よりも私たちが先に席を立って、鴨川沿いを歩きながらホテルに戻った。そのあと、午前3時まで仕事しちゃったぞ。その合間にネットで検索してみれば、西郷輝彦のブログ(http://saigo.exblog.jp/)には、舞台公演で京都に来ている、と書かれていた。鹿児島県出身なのに、関西弁なのは、いいんでしょうか。

たとえば、西郷輝彦西郷隆盛を間違える人はいない。ましてや、あおい輝彦蒼井優を間違える人もいない。でも、西郷輝彦あおい輝彦を間違える人はきっといる。間違いなく間違える。

【設問】以下の(1)〜(9)について、西郷輝彦について述べているものはA、あおい輝彦について述べているものはBを括弧内に記入せよ。

(1) ( ) 1947年生まれ
(2) ( ) 1948年生まれ
(3) ( )元ジャニーズ
(4) ( )御三家
(5) ( )『星のフラメンコ』
(6) ( )『Hi-Hi-Hi』
(7) ( )『星娘』
(8) ( )水戸黄門助さん役
(9) ( )アップダウンクイズ司会
ゴールデン☆ベスト
定番ベスト

あ、どうでもいいですか。

同時に、水野真紀水野美紀、および、坂井真紀・酒井美紀の違いについても、改めて確認してしまう私だった。