野本かりあ『カアリイ』

カアリイ (写真集付)
サンフランシスコに移動する間に聴いていたのは、readymade international の夏の新作。プロデューサーの小西康陽が遺作にしてもいいという1枚。野本かりあの歌は前作よりちょっとよくなったという感じかな。1960年代にあらわれた女の子カアリイが2004年によみがえる、というコンセプト・アルバム。『ガーリイなサージェント・ペパーズ』というキャッチ・コピーがついているが、ビートルズを聴かない私はよくわからない。最初のロシア民謡のフレーズをモチーフにした『一週間』とその後に続く石坂浩二のナレーションが流れを作り出す。後半は、カアリイがヨーロッパに旅立つのだが、そのうちの何曲かは、流れがよすぎるあまり、各曲が際立ってこない一面もあると思う。しかし、最後に流れる『私が死んでも』は、明るい曲調のせいで、よけいに哀しげに響いて印象的だ。小西康陽の作品は、何となく繰り返し聴いていることが多い。あ、気合の入った写真集がついていたんだった。忘れていた。あまり見ていない。