築山節『フリーズする脳 思考が止まる、言葉に詰まる』
- 作者: 築山節
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2005/11/08
- メディア: 新書
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- 不意に言葉が出なくなる。
- よく知っているはずの名前が思い出せない。
- 話が聞き取れなくなる。
- たびたび思考停止状態に陥る。
- 考える力が衰える。
- すぐ感情に支配され、頭の中が真っ白になる。
- 集中力が続かない。
上記のようなことが、日常のささやかな出来事としてやり過ごせているうちはいいが、なぜそんな脳の「フリーズ」状態が起こるのか。歳をとっていなくても、その人の置かれている環境や脳の使い方に問題がある。その発見と改善の方法を、「高次脳機能外来」を開設する著者(つきやま・たかし)が示していく、という本である。
私は30歳を過ぎてから、たしかに何かを思い出すことが苦手になった。この前も、俳優の高橋克典の名前を思い出すのに時間がかかった。ちなみに、私の母は、3日かけて火野正平の名前を思い出せてうれしかった、と報告してくれた。
そして、「あれ、いま何しようとしてたんだっけ?」ということも多くなった。仕事の上でも、相手の話の捉え方や自分の話し方など、頭の使い方の変化を迫られているのを強く感じる。
著者の名前は別の本で知っていたが、たまたまこの本に巡り合って、軽い衝撃を受けてしまった。私がいま困っているようなことが、程度の差こそあれ、ほぼ網羅されていたからだった。
要するに、脳は何も刺激がなければボケるほうに向かっていく。逆に、刺激を与えればいつまでも脳細胞は活発に動き続ける、と、著者は書いている。何人もの症例と対処法(身体の運動や生活習慣の改善など)を、繰り返し、具体的で読みやすい言葉で書いているので、きっと役に立つ。
「ボケてる」なんて、考えすぎか?
いやいや。
脳が機能してほしいように機能しない、ということが、「ボケ」ではなく、単なる不得手としても、そういう回路が自分の中で強化されていない、ということだから、自覚して訓練する価値はあると思っている。
どうも私は、話の本来の目的を忘れてしまいやすい。細かい言葉が気になってしまって、そこから強引に話を広げたり飛躍したりするので、筋道が逸れてしまって、「結局、何の話だったっけ?」ということがある。そういうことも、実は脳の前頭葉の働きと大いに関係があるらしい。自覚した今でもそうなのだから、今まで私の話に無理やり付き合わされた人のことを考えると、少し気の毒だ。
たぶんこれからはもう少し話がかみ合うような努力が続けられるだろう。それでも浮かんでくる、自分本位の「どうでもいいような話」は、どうしたらいいんだろうか。
ということで、そんな話は、こちらの日記で消費させてもらう。別に今まで通りか。
で、何の話でしたっけ?