ただの客
仕事もひと山を越え、土日もまともに休めるようになった。しかし、土曜日は朝から研修があった。このタイミングで、きついわあ。休憩時間に仮眠を挟んで何とか切り抜けた。
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せっかく渋谷に来たので、ハイファイレコードストアに行くことにした。気がつけば4ヶ月も行っていなかった。こんばんは。「はい、いらっしゃいませ。」カウンターにいたのは、上品そうなご婦人で、そんな人がいると思わなかった私はけっこう驚いた。伺ってみれば、店主の大江田さんの奥様だった。「今、買い付けでアメリカに行っているんです」 そうですか。「あの、いらしたことをお伝えしておきますから、お名前をうかがってよろしいですか?」 はい、××(本名)と申します。「どちらの××さんでしょうか?」
さて、困った。自分の勤めている会社名を言っても意味がないし、音楽の活動をしていて何がしかの所属があるわけでもない。それで出てきたのが「ただの客です」という、ひどくぶっきらぼうな言葉だった。あの、メルマガには登録されてますんで。「あ、そのようですね。来月の○○日には戻る予定です。」はい。ご丁寧にありがとうございました。
結局、何も買わなかった。ごめんなさい。実は、自分の所属を聞かれて、答えに窮したのは、これが初めてだった。こんなときに、何かうまい答え方って、あるのだろうか。