昭和ダンス・パーティー

池ノ上の駅を降りて10秒のところにある、創作料理屋「こあん」。2階に上がって入場料を払うと、ムーズヴィルレコードの平林さんが、飲み物を薦めてくれた。「年末のtenementはとても面白かったです」とお伝えしたら、たいそう喜んでいただけた。なんとフレンドリーな。「奥の座敷でお食事がありますので。」行ってみると、15,6人程度座れる座敷に食事がずらり。唐揚げ、散らし寿司、ローストビーフなどつまみながら、DJを聴く。さらに、4月発売のCD『昭和ダンス・パーティー』のジャケット撮影で来ていた信藤三雄氏と乾杯した。うーむ、信じられない。思わず笑ってしまう。tenementで見かけたお客さんや、DJのM7さんともそこでご挨拶した。

ダンスフロアは、飲み物カウンターをはさんで座敷の反対側にあり、暗い中で妙齢のおねえさんたちが踊っていた。かかっている曲は、ジャズ、マンボ、チャチャチャ、歌謡曲など。途中でジャズ・スタンダードの"cherokee"が、スカのカヴァーで流れたので、スカパラのライヴで覚えたモンキーダンスで思わず反応した(その日はスカパラのライヴが東京ベイNKホールであることを思い出しつつ)。いやー、とにかくいろいろな曲がかかって面白いですよ。

カウンターに戻ると、図体のでかい男のモンキーダンスが目立ったらしく、話しかけられた。私はどうも関係者に見えるらしくて、そういう図々しい雰囲気が出ているのだろうか。ミーハーだから、有名人と見るや、すかさず話しかけるし。お話してみると、その方もDJで「音に反応してくれるお客さんが一番うれしい」とのこと。思い出すわあ。15年前、高校の文化祭のダンスパーティーで踊ったら、バカにした連中がいたっけな。あの連中が腹立ってなあ。ずっと引っかかってたんだけど、お前たちより音楽のことはわかっているつもりだったしね。それは15年たって証明されて、私の中でひそかに喜びましたよ。まあ、私も成長がなかったということでしょうが。

曲も、マツケンサンバⅡリミックスから、Smapの"Shake"までかかって、お客さんだけでなく、DJも上半身裸になるほどの大盛り上がり。私は、小西さんや若手DJの三浦信さんや面白いお客さんとお話できたし、明るく親しみあふれる空間にいられて(クラブとは全然違う)、とても幸せでした。6時間があっという間。調子に乗って、カクテル4杯とウィスキーの水割り4杯飲んだら、さすがに足元が危なくなったのでそれ以上はやめましたが。思い出すわあ。こんなに酔っ払ったのは、大学時代の同級生の集まりで、みんなでテキーラのボトル2本空けた以来です。自分はふだんあまり笑わないほうだが、いったい、これはどうしたことだろうか?笑いっぱなしである。酒と音楽の力はすごいねー。

このパーティーのCDが出るっていうから、たくさんの人に知れ渡りすぎて、チケット取りにくくなったら困るなあ。でも、もし、面白くてヒップな音楽が好きで、同じくそういう音楽が好きな人や作り手のみなさんとお話したいと思う人は、ぜひ行ってもらいたい。本当に食事とかおいしいしね。普通のときにも「こあん」に行ってみようと思う。