readymade festival

年に1,2度あるぐらいの、レディメイド・インターナショナルのDJやライヴが集合するイベントが、六本木のクラブ・スパイラルで行われていた。ほかに一緒に行ってくれる人がいなかったので、8時間も興味が続かないんじゃないかと思い、見送ってしまったのだが、失敗した。一人でも行けばよかった。そこでは、各ミュージシャンがフリー・マーケットを開いていて、レーベルのリーダーの小西康陽は、恵比寿tenementで毎月行われているイベント"curtain"のライヴ録音mixCD-Rを販売したというのだ。その情報は、あとでインターネットで知ったのだが、知った瞬間、目の前が暗くなってしまった。本人が、「ちょっとトーキョーで話題になるようなCD」と言っていたが、そんなの、今、いちばん聴きたいCD-Rに決まってるじゃないか。

実は、このCD-Rは、curtain1周年を記念して、8月に先着10名に配布されたことがあった。私は、その日、ちょうどプロレスを見に行っていたので、仕方ない、とあきらめていたが、普通にお金を出して買うチャンスがあったと知ってから、あきらめられなくなってしまった。それ以来、ずっとどうにかしてそのCD-Rを入手する(あるいは聴く)方法がないものか、考えている。この暗い気分は、なんとたとえればよいのか?親類や友人ではないが、だれかの「喪に服している」気分というのは、こういうものだろうか。ここまで一喜一憂する自分も、どうかと思うが。そして、そんなにCDが欲しいのに、実際に"curtain"のパーティーに行ったことがないというのも、説得力がない。

そういえば、以前から自分には、一緒にクラブに行ってくれる友達がいない。クラブに行くような人がいたとしても、ジャンルが違ったりする(トランスとか)。ジャズ、ボサ・ノヴァ、ソフトロック、さまざまなダンス・ミュージック、日本の歌謡曲などが好きな人って、周りに少ないのだ。それどころか、昭和歌謡って聞くだけで、失笑する人がいて、「そこは笑うところじゃないんだがなあ」と、そのセンスにイライラさせられることのほうが多い。もちろん音楽の趣味はさまざまだし、それだからこそ面白いのはわかっているが、いっしょにクラブに行って楽しめるような、音楽の趣味が共通するような知り合いが欲しい。すでに今このページで募集しているようなものである。

いや、だったら、会場に出かけて友達を作ってしまえばいいのだ。自分は、初対面の人にあって、すぐに親しくなれるようなタイプではない。でも、そんなことを言っても始まらない。それには、この妙に焦っているような精神状態も含めて、さまざまなことを反省しなくてはならない。ときどき、インターネットで、「イベントに行くので、声をかけてください」という書き込みがあるけど、少し本気にしてみようか。まずは、10月の"curtain"に行ってみるか…。