コイト・タワー→フィッシャーマンズ・ワーフ→ゴールデン・ゲート・ブリッジ→ゴールデン・ゲート・パーク

コイト・タワーは、文字通り、展望台である。それ以外は何もない。古いタイプのエレベーターで頂上に昇ると、そこには塔の中にガラス張りの窓があるだけだった。とりあえず、ガラス越しにダウンタウンのビルディング群を写真に撮っておいた。ここからフィッシャーマンズ・ワーフに行きたいが、ここら辺は走っているバスも少ない。徒歩で高台から降りて、ミュニメトロで海岸沿いを北上することにしよう。

降りられそうな道を歩いていったが、「DEAD END」の看板があった。降りるには、少し離れたストリートから降りろと書いてあった。案内どおりにそのストリートを探すと、木でできた階段があった。たしかにストリートの表示は出ているが、本当にここでいいのか?半信半疑で降りていった。一応、両側には、住宅がずっと続いていた。あとで知ったが、この階段もちょっとした名所らしい。日本でいうなら、階段でできている国道339号線みたいなものか。

下に降りて、ミュニメトロを待った。何台か来るのだが、みんな止まらない。なぜ?満員なのか?いいや、フィッシャーマンズ・ワーフまで歩いてしまえ。ほどなくして、人が急に増え始め、ハーバーにはヨットがずらり。そこが目的地だった。午後0時30分。食事がしたいが、あまりに人が多い。カニとかが名物なのだが、ここは、屋台で売っている堅めのパンをボウルにした、クラムチャウダーとコーラで済ませることにした。それで7ドル程度。真夏のような日差しだし、クラムチャウダーも熱いが、勢いよく食べてしまう。日本人にはこれぐらいの量で、十分なのではないか。

今回は初めての訪問なので、基本的な観光名所を回ることにしていた。次はゴールデン・ゲート・ブリッジ。そこまでは自転車で行くことに決めていた。レンタルの自転車に乗って、海岸沿いのサイクリング・ロードを走っていく。悲しいかな、口ずさんだのは、Queenの『Bicycle』ではなく、モダンチョキチョキズの『自転車に乗って』だった。ゴールデン・ゲート・ブリッジへは、1時間たらずで着いて、そこでも写真を撮った。渡ることはしないで、サンフランシスコの西端、クリフハウスとシールロックスをめざした。

しかし、そこにいたるLincoln St. は、ゆるやかな坂道が長く続いていた。わざわざ"Bike Lane"と書いてあるから、別に自転車で走っても無理はないのだろうが、ローギアに入れてもけっこうきつい。ボトル入りの水を持ってこなかったのが悔やまれた。熱中症にならないように気をつけなければならない。とうとう自転車を降りて押しながら歩いた。「体育会系でもないのに、何やってるんだかなー」と思わずつぶやいた。休憩を兼ねて、ところどころで海の写真を撮るが、もうメモリが足りなくなった。林道を抜けた後、住宅街の食料品店に飛び込んで、ボトルの水2本を一気飲みした。私は自転車を押しているというのに、ほかのサイクラーたちはそういうことがない。自分の体力がなさ過ぎるのか。

それでも、ある程度海岸に近づくと、逆に下り坂が多くなる。西端のクリフハウスを目の前にして、一気に左折すると、そこは広々としたビーチだった。海水浴の人も多かった。日本語の刺青を入れている人が目立った。ふくらはぎに『命』と書かれた刺青をした若者がいた。別に、TIMのファンというわけではないだろう。

左手に見えた風車が見えたので、そこで曲がると、ゴールデン・ゲート・パークに入っていった。さすがに公園内では、無茶な坂道はないだろう。安心して走っていった。写真は、その中で撮った Conservatory of Flowers である。パークを抜けてストリートに戻ると、けっこうきつい坂が待ち受けていたが、そこを越えて坂を一気に下り、ゴールデン・ゲート・ブリッジまで戻った。そこから、来た道を逆に走って、フィッシャーマンズ・ワーフで自転車を返した。約4時間も自転車をこいでいた。もう疲れた。近くにあるタワー・レコードに行って、今日は終わりにしよう。