日垣隆『常識はウソだらけ』

常識はウソだらけ (WAC BUNKO 73)

常識はウソだらけ (WAC BUNKO 73)

ラジオ番組での、日垣隆と科学の専門家の対談本を読んでいる。

今までも何冊か出ているが、今回は、リサイクル、定期健診、カウンセリングなど、その存在自体が「善」とほぼ無条件で思われてしまい、常識のように扱われていることがらを覆していく、という内容で面白い。

そういえば、今日会社から持ち帰ってきた紙袋も、再生紙が使われている。
ところが再生紙をつくるにもいろいろとコストがかかり、返って高くつく場合もある。また、パルプを生産する地域は買ってもらえなくなったので経営難が深刻になり、さらに、結局、木を腐らせてもいるらしい。うーむ、本当なのか。

いちばん驚いたのは、カウンセリングの項で、安らぎを求めるのにお金が介在している、という点では、売春とカウンセリングは構造が同じ、と専門家が言い切っている。心地よいことを言い合う時間を買う、というのは、クライアントもカウンセラーも惨めではないか、と。

これは面白い見解だと思うけど、ちょっと極端すぎやしないか。話した内容に評価の視点を持ち込まない赤の他人、つまりプロカウンセラーにお金を払って、自分の問題点を明らかにすることが、単に心地よいことのためにお金と時間を浪費しているとは思えない。(本の中でも、ガス抜き、としての効果を認めるところまでは譲歩している)

せめて「整体」とか。治療を施すことで、ある程度までは回復するけど、最終的には、患者が自分で健康を取り戻す必要がある、という点で、そちらのほうがカウンセリングと類似していると思うのだが。

まだ途中なので、もうちょっと読んでみる。