新日本プロレス・G1クライマックス決勝戦

マイミク・某ナベ研究員夫妻と毎年の夏恒例の新日本プロレスG1クライマックス勝戦を見に行った。

リーグ戦の決勝戦は、ベテランのチャンピオン永田裕志 対 若手の棚橋弘至だった。若手の棚橋は、動きの軽やかさを売りにしているが、私から見れば、悪い意味で「軽い」ようにしか見えない。それに対して、永田は蹴りや投げの切れがよく、コンディションもよかった。おそらく永田の勝ちであるだろう、といっしょに見に来ていた友人ともども思った。

ところが、棚橋が強引に永田の足を攻撃し、数度の投げ(それもスタミナ切れ気味)の後、必殺技「ハイフライングフロー」(=ふつうのダイビングボディプレス)で、永田から3カウントフォールを奪った。

えーっ。いいのか、こんな終わり方で。説得力無さすぎだろ。

気持ちが治まらない我々は、そのまま秋葉原ヨドバシカメラ8Fの飲み屋で、感想を整理した。その結果、この試合における棚橋は、「しょっぱい」のではないか、という結論に達した。

しょっぱい、とは何か?

しょっぱいとは、元々は大相撲の世界で、
後に大相撲から転じた力道山によってプロレス界で使われるようになった
「情けない・恥ずかしい」をあらわす隠語・俗語である。
(略)
主に「しょっぱい試合」等と使われ、
観客を満足させるに足りないような「情けない試合内容」、
「中途半端」の試合しか出来ないプロレスラーは
プロレス界では「しょっぱい奴」として軽蔑の対象となる。
(ウィキペディア『しょっぱい』)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%97%E3%82%87%E3%81%A3%E3%81%B1%E3%81%84

若いエースが、リーグ戦に優勝したのに、「えーっ」といわれている場合ではないのである。棚橋は、技に正確性と説得力を持たせること、そして、(詳しくは述べないが)中途半端なナルシシズムを捨てること。

プロレスの隠語で真剣勝負を表す「ガチンコ」という言葉はずいぶんと世間に広まったが、この「しょっぱい」も、けっこう広く当てはまる概念ではないのか。今後、広まるかもしれない。