京都にて つづき

7.
社員食堂がないので、昼食はみんなで外に食事に出かけた。今回、いっしょに仕事をしている先輩社員が、大学時代は遊んでしまって「テレビを見た記憶もない」という一言が、やけに印象に残った。

8.
今週は月曜早朝からの仕事のため、日曜に京都に来た。せっかくなので、寺を見に行こうと思ってバスに乗った。やっぱり修学旅行生はあちこちにいるもので、黄色い帽子をかぶった小学生がわいわいと乗っていた。
彼らが二条城前で降りる段になって、そのうちの一人が「(一日乗車)カードがない!」と大騒ぎして探したが見つからない。結局、先に外に出た仲間たちに「早く降りろよ!」と急かされて、後部ドアから飛び降りた。
子どものときは、そんなことで大騒ぎになってしまう。そばにいた大人としては、「さ、これを持って行きなさい」と、250円を手渡してやればよかったかもしれない。そんなことを数日経った今、思いつく。

9.
バスの中はとたんに静かになり、外は雨が降っている。気がついてみれば、京都に来てから、ポータブルのmp3プレイヤーを一度も聴いていない。BGMとして、ECDコンパイルした「Private Lesson in Control コロンビア編」を聴く。山口果林、伊集佳代、西城慶子、ちあきなおみと続くと、2時間枠のドラマの世界に迷い込んだみたいである。

10.
竜安寺仁和寺を訪れた。雨が降っていて、逆に趣が出てよかったんじゃないか。そういう感覚は、外国の人にはわかるのだろうか。外に鎮座する仏像の前に立つと、頭がぼうっとする。石庭を掃くだけで10年位過ごしてみたくなる。寺の中にあった、警視庁「過激派撲滅キャンペーン」のポスターが異質で、逆に注目した。

こんなときでも寺に来ていた人たちは、いかにも修学旅行の班別行動っぽい何人かの同性の若者連れ、カップル、団体旅行のおじさんおばさん、のどれかのカテゴリに入る。サラリーマン一人ぼっちは私以外にいなかった。

11.
ホテルまで帰る途中、マイミクシィのカドさんの日記を思い出して、四条のレコード屋を何軒か訪れた。傾向としては、中古の値段が東京よりも若干安く、東京には残っていないデッドストックが見つかりやすかった。結局、定評のある、再発された新品のボサノヴァのレコードを何枚かと、中古を1枚だけ買った。私のストレッチとしてはこのぐらいがちょうどいい。
訪れたレコード屋には不思議と共通点があり、CD・DVDの研磨代が1枚200円で、ポイントカードを渡してくれたときの説明が早口で、店員さんの目が少し泳いでいた。

12.
ホテルに帰って、中古レコードの盤面をみたら、擦り傷が多いし、若干汚れてもいた。ジャケットはきれいだったのに。これがM(MINT。新品同様のこと)だって?それはねえだろ。「まあまあ」どころか「目に余る」のMじゃないのか。次からは、あまり表記を信じすぎないで注意するとともに、その店の中古品を信頼しないことにする。

13.
仕事が始まり、アメリカから来たお客様へのプレゼンは、準備の甲斐あって、スムーズに和やかな雰囲気の中で進んだ。気がつけば、周囲の人は当たり前に英語を話していることに、今さらながら驚く。
今回、親しみあるメンバーに恵まれて、仕事がしやすかった。中日の宴会に出られずに、突如帰らなければいけないのが残念だった。この分野の仕事が続けば、京都にはまた来ることになりそうだ。

14.
少し太った。