京都にて

1.
仕事で京都に平日2週間ほど滞在した。梅雨時の大雨と、その中休みの暑さが交互にやってきた。

2.
京都でお客様向けのプレゼン準備をするのが今回の役割である。そのため、メンバーの注文に答えて補足資料を作ったりチェックしたりする便利屋みたいな仕事が多い。ある女性の同僚から、「ドラえもん」のあだ名を頂戴した。でも、そう呼んでいる本人のほうが、似ているよなあ、と言ったらどうなるか、さすがに鈍い私でもわかる。

3.
コンビニの店員が、「おおきに」という挨拶をよく言っていた。

4.
ある日、夜食をとりに、四条河原町のラーメン屋に入った。カウンターに座っていると、後ろのテーブル席のサラリーマンが酔って言い争いをしている。
どうやらこういうことらしい。
部下(または後輩)の社員が、大阪から異動したくなかったのに会社の命令で異動になり、慣れない京都に配置になったが、営業成績が上がらず、ボーナス査定が悪かったらしい。それを、上司(または先輩)社員に訴えている。
「そんなこと言ったってしょうがないだろ!」「だって、俺は異動したくなかったんすよ!」
わかりやすいサラリーマンの光景ですね。そして、無関係の私にもこれだけ詳細がわかってしまうのだから、他人のいる場での仕事の会話には注意しよう、と改めて思った。

5.
会社の近くのホテルでは、テレビをつけながら、PCを操作することが多かった。関西のテレビ欄は、東京と民放のチャンネルの並びが違うので、脳が混乱する。夜になると、関西のお笑い芸人と、上沼恵美子と、やしきたかじんが目立つ。
やしきたかじんが画面に向かって、芸能人の批判を吼えているが、「いきがっている」ようにしか見えない。劇団ひとりの小説『陰日向に咲く』を買ったら負けだと思ったって? 読まないで言うのは、ただのいちゃもんである。それに同意するとなりの北野誠幇間(たいこもち)に見える。その隣の前田耕陽の笑顔は、どこか不自然だった。
そのあと、やしきたかじんが、ほしのあきにメールを送って返事が返ってきたのを大はしゃぎしている姿は、だれかお付きの人が注意してさし上げたほうがよい。

6.
以前はホテルで寝ると眠りが浅くて困ったが、今では、枕が選べるサービスをするホテルもあるおかげで、少し慣れてきた。
それでも、毎日なぜか5時30分に一度目が覚める。
FIFAワールドカップのブラジル対日本戦があった日に、テレビをつけてみたら、3対1でブラジルが勝っていたので、すぐにまた寝た。