こたえてちょーだい!

休日だが、風邪気味なので、家でおとなしくしていた。ふだん見ない午前中のテレビでは、『こたえてちょーだい!』をオンエアしていて、テーマが「夫の小遣い」だった。

とくに予定があるわけではないが、自分が結婚しないことの理由に、経済的な自由が利かなくなる、ということは間違いなくある。しかし、このままレコードやCDを買い続ける生活がいいわけでもない。だから、このテーマは、それなりに興味を持って見た。

テレビでは2人の夫が紹介されていた。ひとりは、自分で節制を心がける夫。期間ごとに封筒を作ってお金を分配し、余計な出費を抑える、ということを実践していた。そして、私が注目したのはもうひとり、の奥さん。夫は毎月3万円の小遣いでやりくりし、パソコン用プリンタの購入をもくろんで、5000円アップを奥さんに交渉しようとしていた。しかし、子ども4人を育てているこの状況で、果たしてうまくいくかどうか。

奥さんが黙々と選択や料理をこなしていくカット。きつそうなイメージ。その奥さんに、夫が切り出す。「あのー、月々のお小遣い、5000円上げてほしいんだけど。」「うーん、それは無理よー。上の子10歳で、その次が7歳じゃない。子どもにもお金かかってる状況だし。」「えー、でも"たかだか"5000円じゃない。」この言葉に、妻は静かに立ち上がった。そこでCM。嵐の前の静けさなのか。

CM明けに、奥さんは1冊のスケッチブックを取り出した。ペンを持つと、線を引き始めた。「1年後、2年後…、って過ぎるじゃない?で、ここで、上の子が中学で、50万ぐらいかかるかなー。で、3番目が小学校入学で、…」と書き込んでいき、出来上がったのは、子どもの成長とそれにかかる費用のタイムチャートだった。それは、私がプロジェクトで作っているスケジュールのつくりにそっくりだった。もし、テレビのスタッフが手助けをしていなくて、そのチャートを作り上げたのだったら、奥さんは相当仕事ができる人だと思い、感心してしまった。さらに、「今、タバコ5箱吸ってるんだから、それを減らす方向で貯蓄する方法あるよ。たとえば、1日100円節約したとして、1ヶ月たったら、3000円たまるんだからさ。」と、逆に具体的な数字を挙げて夫を説得にかかった。結果、月々2000円のアップで交渉の決着がついた。

こういう奥さんを、「きつい」と思う人もいるかもしれない。しかし、私は、好みのタイプとかいう話はおいといて、結婚するなら、このぐらい賢い人がいい。何より、夫の家計についての無知に感情的にならずに、冷静に会話したのがいい。自分もそれぐらい賢くなりたい。しかし、奥さんは、(節約する、ということのレベル以上に)家計に夫がかかわってくることを、わずらわしく思うものだろうか。