ジャケットが凹む

神保町でレコードを買った後、ロッテリアで「絶品チーズバーガー」を食べてみようとセットを注文した。会計を済ませてカウンターを離れると、

バターン。

あ、カウンターの荷物を乗せる部分に立てかけておいた、レコード袋をしまうのを忘れて、落としてしまった。うわ、大丈夫かな。

ばしゃっ。

あ、あわてたついでに、飲み物が床に落ちてしまった。取り替えてくれた店員さん、ありがとう。

袋の中を開けてみた。二枚のジャケットの角が本当にほんの少しだけ凹んだ。そして一枚のジャケットはいちばん古く、既に傷みもあったせいで、大きく凹んでつぶれてしまった。少し裂けてもいる。

自分の気持ちも文字通り凹む。帰り道でもそのことで気分がすぐれなかった。始めからそうだった、というならいいのだが、問題は自分のせいで失敗してしまった、という気持ちである。神経質になってしまう性格が、これほど損だと思うときはない。もはや楽しむための趣味ではなくなってしまうのだから。

大きく凹んだジャケットの裂け目をテープで補修しながら、まあ、問題は中身だよな、と気持ちを慰めるようにレコードを聴いた。試聴のときに良いと思った曲が、家ではそうとも思えない。何だかよくわからなくなってしまった。

そう思っていたら、一枚のレコードがジャケットから滑り出て、盤面を爪で引っかいてしまった。もう疲れたわい。やめやめ。

へこむ

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