コンプリート無間地獄

私は、形から入りやすいタイプである。そういう自分を知っているせいもあって、センスのいい人が提示してくれる視点・ノウハウなどは、まずは積極的に取り入れることにしている。

カフェ・アプレミディ・ルー

カフェ・アプレミディ・ルー

橋本徹氏のCDコンピシリーズ『カフェ・アプレミディ』シリーズは、2000年にTony Hatch の "I didn't know what time it was" に衝撃を受けて以来、全作品を購入してきた。このシリーズをきっかけにして知ったミュージシャンや曲は数多い。というより、ほとんどがここからではないのか、とさえ思う。渋谷のパルコパート3の地下に『アプレミディ・セレソン』が開店してからは、新作リリースごとにおまけCD-Rがつくようになり、それを集める目的も加わって、購入活動もより強化された。

サバービア・サウンド・システム・フォー・ミッドナイト・ラヴァーズ

サバービア・サウンド・システム・フォー・ミッドナイト・ラヴァーズ

  • アーティスト: オムニバス,ランキン・アン,サンドラ・クロス,コフィ,ジョセリン・ブラウン,パトリシア・スミス,アイシャ,シスター・オードリー,セイン・インメイツ,キャロル・トンプソン,マザー・ネイチャー
  • 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
  • 発売日: 2007/09/21
  • メディア: CD
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しかし、ARIWA レーベルのラヴァーズ・ロックやダブの音源をまとめた、『SUBURBIA SOUND SYSTEM』シリーズが3枚出たとき、試聴しながらものすごく悩んでいた。

それはちょうど、自分の付き合いのコミュニティ(この場合ジャズやイージーリスニングなどを指す)の中に、友達の友達として、ものすごく違和感を覚える人が来てしまい、どう対応していいかわからないような。

または、年頃になった娘に「紹介する人がいるんだけど」と言われ、娘の「不良」の彼氏に「あー、お父さんっすか? はじめましてー」と言われて戸惑い、結論を先延ばしにしてしまう、かつての「トリビアの種」傑作実験のような。

結局、CDの購入をあきらめた。それよりも時間とお金をいま一番聴きたいレコードに投下したほうがいい、と判断したからだった。今後も気に入った作品は追いかけていくだろうが、コンプリート無間地獄から解放されてやや安心。

そう思っていたら、ディスクユニオンでこんな宣伝を見つけた。

2010年に創立100周年を迎えるコロムビアミュージックエンタテインメントから発売された多数のカタログの中から、小西康陽がセレクトし、オリジナル発売当時のままに紙ジャケットとして復刻していくシリーズ「コロムビア*レディメイドコロムビア100年」いよいよ第一弾、10タイトルが発売!!

3/5発売 全タイトル紙ジャケット仕様 各¥2,100(税込)
監修:小西康陽
カウント・バッファローズジャズロックバンド-ソウル・アンド・ロック ※初CD化紙ジャケ仕様
前田憲夫・稲垣次郎オールスターズ-決定版!これぞジャズ・ロック ※初CD化紙ジャケ仕様
飯吉馨とザ・ウィップ-ソウル・トリッパー ※初CD化紙ジャケ仕様
沢田駿吾=村岡健オールスターズ-ヒット・アンド・ヒット・イン・ボサノバ ※初CD化紙ジャケ仕様
三俣敬太郎と彼のグループ-サウンドポエジー・サチオ ※紙ジャケ仕様
フルスロットル・ジャズ・ロックバンド-全開で飛ばせ 大藪春彦サウンドアクション ※初CD化紙ジャケ仕様
サンドラ・アレキサンドラ-サンドラと12人の侍たち ※初CD化紙ジャケ仕様
ミルト・ロジャース-七色のしあわせ ※初CD化紙ジャケ仕様
ファンテーヌ・シンガーズ-70のニューサウンドいずみたく作品集〜 ※初CD化紙ジャケ仕様
ジャンヌ・エトワール-ニューヤング・コーラス ※初CD化紙ジャケ仕様

(http://diskunion.net/portal/ct/news/article/0/1974) より

今から21,000円用意しておくか。でも、第1弾ということは、続くんだよな。

とはいえ、私は日本の昭和の音楽には詳しくないので、各ミュージシャンがどれだけすごいか、よくわかっていないのだが、それは親切な友人たちが教えてくれるだろうし、聴いてから考えてもいい。かつての"Good Night Tokyo" "Midnight Tokyo"のようなすばらしいアーカイブになることを期待して。

センスのいい人が提示してくれるものは、まずは積極的に取り入れるのだ。