宿題代行

読書会の課題図書、カール・マルクスユダヤ人問題によせて ヘーゲル法哲学批判序説』を読み終えた。いや、読み終えたと言ってはいけない。内容がわからない。読書会まで時間もないので、速読である。でも、内容はわからない。意味がない。

ただでさえ社会科が苦手で、とくに世界史はさっぱりわからない。高校1年のときに世界史の先生が中間テスト後にずっと休講になってしまって、それ以来まともに世界史を習っていないのだった。一時期、小学生時代から歴史を学びなおそうかと思ったこともある。ニンテンドーDSの『詳説世界史』、やってみようか。

山川出版社監修 詳説世界史B 総合トレーニング

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仕方なく『ユダヤ人…』の要約をネットで探していたら、同じように読書会に参加する方のブログを見つけた。(http://tommys-third-place.cocolog-nifty.com/blog/2007/09/post_1a7e.html)

ユダヤ人が政治的に解放されるべきかどうかは大きな問題ではない。仮にユダヤ人が自由や平等の立場を与えられるなど政治的に解放されたとしても、現実的には差別などユダヤ人に対する問題は残る。それは例えば私有財産の多寡とは関係なく全員に参政権が付与されるとしても、私有財産の多寡による社会的矛盾は残るのと結局一緒だ。このように、政治的解放と人間的解放は別物であり、政治的解放は社会構造に問題が残る限り現実的には大きな意味は持たない。したがって、人間的解放(この文脈では人間が宗教そのものから解放されること)を目指さないと問題は根本的には解決しない。

どうもありがとうございます。助かりました。ああ、情けない。しかし、こんな気分で本を読むのは何年ぶりだろうか。仕事の残業とは違う、宿題やらなきゃなあ、という気分で。

そういえば、9月2日の日曜日に電車に乗っていると、椅子に子どもが座って、作文用紙に何やら写し書きをしていた。そばには、「ほら、どうぶつって字は漢字で書かないの! まだ習ってないんだから!」とお母さんらしき人。それで事情を察した。

宿題を代行するサービス(?)があり、夏休みは依頼が殺到したらしい。(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070901-00000917-san-soci)

 インターネット上で宿題代行サイトを主宰するのは大阪市内の20代の男性。このサイトには東大や京大、阪大、関関同立など全国の有名大学生らが多数、登録している。

 算数の文章問題は1問500円、読書感想文は2万円で引き受けるほか、大学生のリポート(2万円〜)や卒業論文(30万円程度)まで幅広く手がけている。

私の代わりに『ユダヤ人…』を読書して要約してくれ、と頼んだら、1万円程度なのか。もちろんそこに意味はない。課題をあえてお金で解決する方法を押さえておく、という大人の智恵も大事だが、これとは違うレベルの話だ。

自分があの電車で見かけた親子の親だったらどうするか。あえて締め切りを破らせる体験をさせて、それによって自分がどの程度「損害」を被るか、身をもって体験してもらう。やっぱり手伝っちゃうかな。子どもに甘い親になるだろうから。

上の記事を見ると、算数1問500円、読書感想文は2万円だそうですが、私だったら、算数1問350円、読書感想文は1万5千円でお受けしたいと思いますので、ご連絡をください。誠心誠意、お説教させていただきます。