日垣隆/すぐに役立つ文章講座 (8月の想い出 1)

これから8月にあったことを書きます

私にとっての8月といえば、誕生日と、ブログを書き始めて1周年、という話題があるにも関わらず、いちどもエントリを書きませんでした。仕事が多くて、ふつうの休みの日にも少しずつ仕事をしていて、なかなか書く時間を見つけられませんでした。書くのにけっこう時間がかかるのです。それでも、あちこちに出かけるチャンスを何とか作って精神のリフレッシュをしていました(じゃ、その時間使って書けよ、って言わないでね)。そのことを少しずつ思い出して書きます。

文章講座の内容

8月6日に、目白で開かれた、作家でジャーナリストの日垣隆氏が主宰するメルマガ『ガッキィファイター』*1のオフ会『すぐに役立つ文章講座』に行ってきました。こういうふうに文章を書いていれば、参加したくなるというものです。

真夏の日差しがきつい日でした。汗をだらだらとかきながら目白通りを歩き、開始時間ぎりぎりに会場にたどり着くと、ややV字型の変形をした教室に、参加者が数十名が座っていました。V字の底の部分には、日垣さんが座って、講座の準備をしていました。表情はアルカイック・スマイルなのに、眼光はやや鋭い。その雰囲気に少し圧倒されつつも隣の受付に向かうと、とてもきれいな女性が受付をしていました。日垣さんの長女だそうで、女優修業でオーストラリアに留学したこともあるそうです。どうりで。

ほどなく講座は開始し、司会のライターの藤井誠二さんからイントロが語られ、そのあとは、日垣さんが集めてきた良分・悪文や、参加者が事前課題で書いてきた、どこを直せばいいのかわからない文章・参考にしたい文章について、次々とコメントが述べられていきました。この講座のために、日垣さんは、全参加者の事前課題をひとつのPDFファイルにまとめて、マーカーでチェックを入れる作業を、徹夜でしたそうです。頭が下がります。
私が事前課題で提出したブログのエントリ*2にも、日垣さんはコメントを述べました。あえて短いエントリを提出しましたが、懸命に書いた長いエントリのほうが効果がよりあったかもしれない。せっかくのチャンスなのに、と少し後悔しました。短いと、書く気がないみたいかなあ、と思ったら、冷房が効いているのに、今度は冷や汗が出て、日垣さんが何を言っているかもう少しでわからなくなるところでした。それでも懸命にメモした事柄は、やっぱり私が知りたかったことだったので、少し安心しました。

この講座の内容は、後日、参加した中の希望者に対し、有料でPDFファイルにまとめて配られました。読み返してみると、各参加者の文章についてのコメント、発想・推敲、上達の技法などが数多くまとめられていて、役立ちそうです。確定ではないのですが、一般向けに再編集してPDFで出版されるかもしれない、ということなので、講座の内容は詳しく書けません。興味がある方はチェックしてみてください。

オークションのこと

ほかに、この講座の工夫として、参加者全員出品が義務付けられた、オークション大会がありました。自己紹介を漫然とやらないという狙いとともに、不用品を他人が買いたくなるようにプレゼンすることと、何でもないことを他人が読むに耐えうる文章に仕上げることはほとんど同じだ、と日垣さんはおっしゃいました。
ちなみに私が出品したブランドもののグラスを見た瞬間、日垣さんは、「あ、それ、5つ以上じゃないと買えないんだよね」と言い、藤井さんから「さすがブランド大好き日垣さん」と突っ込まれていました。

inage28のこと

今回は、友人の参加もありだったので、id:inage28といっしょに出かけました。inage28は、「え、まだ事前課題(2回目)があるの?」とか、「オークションの出品するものが見つからない」など、当初、参加にあまり積極的でないようでした。
とうとう当日になり、inage28はオークションの出品を何も持ってきていないというので、いったいどうするのか、こっちが心配になりました。
お茶とケーキの時間になり、それを利用してオークションが開始されました。inage28の番になり、彼が出品したものは、司会の藤井氏「え、これ?」inage28「はい。出品するものが見つからなかったので、コンビニで買ってきたこれを。」 それはウェット・ティッシュのパックでした。inage28「ケーキのあとのお手拭にどうぞ。」と言うと、会場からは笑いが起きました。10円、20円、とオークションが進み、140円がついたとき、inage28「あ、これ262円で買ったんで。」というと、また笑いが。たぶん誰もが「これ、定価超えちゃったらどうしよう」と思っていた中、最良のタイミングの一言。私は彼を見直しました。私だったら、出品するものがない、というだけでずっと動揺して、講座の内容なんて頭に入らなかったと思います。

まだあります。講座の本編が終了し、有志が車座になって質疑応答する時間になりました。inage28は、「私は日垣さんのメルマガを購読していないので、どういうきっかけでライターになったか教えていただけませんか?」と質問し、日垣さんが、かつて就職の面接の面接に2回遅刻した話を披露すると、inage28「私自身も面接を2回遅刻したことがありまして、そんなところで親近感を感じました。」会場から笑い。そんな話、初めて聞いたぞ。別の意味で彼を見直しました。

これからもよろしくね

書くということに関する情報が、ずっと降り注いできた6時間近くでした。内容は実践的で具体的、かつ有用性が非常に高いのに、参加費は安く、事前課題も十分に準備されている。そんなオフ会を開くことは、もはや主催者側の損得を超えているように思いました。そういう姿勢が、参加者の気持ちをつかむんでしょうね。あとは、この講座の内容を生かせるかどうか。ようやくですが、ブログの2年目を始めます。