私と読書会

もう5月だね。

某古典読書メーリングリスト(ML)に参加している。

1月

大和和紀あさきゆめみし』。
小学館文庫で全7巻。今年が源氏物語千年紀、ということで。

あさきゆめみし 美麗ケース入り 全7巻文庫セット

あさきゆめみし 美麗ケース入り 全7巻文庫セット

少女漫画のせいか、美人女性キャラの判別が難しいが、話は面白いのでスイスイと読み進む。マンガなので、投稿が多い。私も久々に参加してみた。登場人物(光源氏、紫の上、葵の上 etc.)の誰(の恋愛観)に共感するか、または許せないか、のコメントが、あまりにも様々で驚くとともに面白い。

2月

ジョン・K・ガルブレイス 『大暴落1929』。

大暴落1929 (日経BPクラシックス)

大暴落1929 (日経BPクラシックス)

100年に一度の不況、というが、私は1929年の「暗黒の木曜日」話を知らなかった。経済について私は本当に無知なので、誰が儲かって、誰が損しているのかだけを何とか追っていった。それでも何とか読み通せるわかりやすさはあった。会社型投資信託レバレッジバブル崩壊、呆然と株価暴落を見つめる人々。今と共通することは多い。

3月

セネカ『怒りについて 他二篇』

怒りについて 他二篇 (岩波文庫)

怒りについて 他二篇 (岩波文庫)

怒っちゃだめだよ、暴君の権力者はそれで身を滅ぼしたんだから、 と分析して説いている2000年前の本。
投稿時の設問「怒りの処方箋に対し、役立ちそうなアドバイス 本、文章、音楽、映画、 指回し体操、あだな付、アナライズ等々・・」に、「"Living Well is the Best Revenge."(優雅な生活が最高の復讐である) 」のことわざを挙げたところ、反響が大きかった。これは、ダウンタウンレコードの壁のジャケットに飾られていた言葉だった。

4月

村上春樹訳『Carver's dozen―レイモンド・カーヴァー傑作選 』

Carver's dozen―レイモンド・カーヴァー傑作選 (中公文庫)

Carver's dozen―レイモンド・カーヴァー傑作選 (中公文庫)

私の推薦だった。上に挙げたことわざに関連して、「"Eating Well is the Best Revenge."(よく食べることが最高の復讐である) 」があり、それに似た趣旨の話があった、と思い出したのが、上にも収められている「ささやかだけれど、役にたつこと」だった。カジヒデキの曲のタイトルはここから引用されている。《レイモンドは語る》という歌詞も登場する。淡々と描写するアメリカ文学

子供を亡くした夫婦が、パン屋に慰められてパンを食べ、気力を取り戻す、ということは覚えていた。しかし、パン屋が子供を亡くした両親に向かって、はじめから子供がいない寂しさもある、と話すくだりを、まったく忘れていた。自分だって、パン屋のような立場になるかもしれない、という感想を今回初めて持った。

4月某日

それとは別に、ほぼ同メンバーによる別の読書会 「恋愛のサスティナビリティ」に参加した。末長く上手につきあい続ける方法(継続可能性)を生み出す智恵はあるのか、というテーマだった。

課題図書。
樋口康彦『崖っぷち高齢独身者』(光文社新書)。

崖っぷち高齢独身者 (光文社新書)

崖っぷち高齢独身者 (光文社新書)

中島武『そのお店、いまなら再生できます』(柴田書店)。
そのお店、いまなら再生できます

そのお店、いまなら再生できます

サブテキスト。
「私を豊かにする性愛」特集を組んだ「婦人公論」2009年2月22日号
婦人公論 2009年 2/22号 [雑誌]

婦人公論 2009年 2/22号 [雑誌]

ロバート・B・チャルディーニ『影響力の武器【第二版】』(誠信書房
影響力の武器[第二版]―なぜ、人は動かされるのか

影響力の武器[第二版]―なぜ、人は動かされるのか

婦人公論」って、スゴいことが書かれているんだね。驚いちゃった。それとも、男性が知らないだけなのか。

当日もっとも盛り上がった議題は『パートナーが携帯電話をチェックしていると思うか、また、どう防ぐか』。性善説から性悪説まで、議論百出。

また、6年ペースで「君にはついていけない」と別れを告げられる女性参加者の「初めはパンダのように面白がられるが、次第に飽きられる」告白は、笑ってしまうと同時に切なさがよぎった。

会が終わった後のMLでは、なぜか『女が男にする耳かきは、どういう意味があるのか』が盛り上がっている。