秋刀魚とプレゼン

初めてのメンバーの前でのプレゼンは、それなりに緊張するので、朝から落ち着かない。そのせいか、何年ぶりかに昼のサンマ定食の骨がのどに突き刺さった。これから人前でしゃべるというのに。

ひとまず、サンマの骨が刺さってしゃべりにくいので、聞き苦しかったらごめんなさい、ということからプレゼンを始めた。4人中4番目。10分足らずの内容。短いが理屈の話が続く。

話の筋はあらかじめきっちり決めたので、話す内容にブレはなかった。しかしそうなると、今度は早口になってしまう。緊張を前向きな気持ちに変えるために、どうしても自分をある程度の早いテンポに乗せざるを得ない。悪い癖だ。

プレゼン自体は無事に終わった。理屈っぽい話の割には、眠っている人は少なかったと思う。しかし、自分自身も少し飽きた部分はあった。もっと落ち着いて、簡潔に伝える方法はないのか。単に場数が足りないだけか。

実は、プレゼン資料を作るのは、そんなに嫌いじゃなかった。本質的なネタ話の構成を考えるのは楽しかった。そして、頻繁に登場する技術の背景は、それなりに意味のあるものだと思っていた。しかし、それらは悪い意味で「雑学」の扱いを受けてしまうように思えた。自分は「雑学体質」と普段はうそぶいているが、どこか空しい。事実、あとの3人のプレゼンは、各自が請け負ってきたプロジェクトの紹介だった。私のプロジェクトはこれから始まるから、仕方ないのかもしれない。

自分の感覚と仕事との折り合いが、10年近く経った今でもどこかぎこちないことの一端が、顔を出したように思えた。もうちょっとなあ、自分の言動に説得力を持たせたいなあ。そう改めて思った日だった。

暗号技術入門-秘密の国のアリス

暗号技術入門-秘密の国のアリス

今回励みになったのは、暗号解説のプレゼンをやる、とブログ(id:atnb:20080907)に書いて、書籍『暗号技術入門』のリンクを張ったら、著者の結城 浩 先生から「はてなスター」をいただいたことだった。素直に喜びたい。ありがとうございました。

会社を定時に出て、耳鼻咽喉科へ。しかし、すでにのどに腫れが残るだけで、サンマの骨はいつのまにかとれていた。