滑川海彦『ソーシャル・ウェブ入門―Google、mixi、ブログ…新しいWeb世界の歩き方』

筆者の滑川海彦氏に、偶然お目にかかる機会があった。そのときはこの本のことを存ぜず、その後、ようやく手にとって読んだ次第。しかし、なぜか最後の一章だけ読んでいなかったことを思い出して、ようやく読了した。<< Webはすでに単なるメディアの域を超えてソーシャル(社会的)サービスへと進化しつつある。(10p.)>>という現象を、さまざまなWebサービスの登場の背景と本質を、専門的にならずに概観することで解き明かしている。

たとえば、GoogleGmailの紹介では、スタートアップ手順から知っておくと便利なTipsまで丁寧に教えてくれている。とっても便利。ほかにも、はてなブックマークmixiRSSリーダーなどについて、これを読んでおけば内容の把握とその開始がたやすい。

読み忘れていた最後の章は、「グーテンベルク以来のメディア革命が進行中」と題し、ITやメディアの行く末を予測している。旧約聖書の「壁にかかれた文字」の予言からヒンズー教ジャガーノート神まで喩えとして引用しているが、煽っている感じはなく冷静で、不思議な説得力がある。

私が紹介する時期が遅れたせいもあるが、当分は、ポピュラーなWebサービスの手引書として役立つはずなので、お薦めする。時が過ぎて内容がout of dateになったとしても、これほどわかりやすく幅広い解説書にはなかなかお目にかかれないだろう。(自分が他の同種の本を読んでないだけだったりして)

先に読んでおいて、サインもらえばよかった。

ソーシャル・ウェブ入門 Google, mixi, ブログ・・・新しいWeb世界の歩き方

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