送料再考
結局、Don Paulin の "Me and My Papagayo" LPは、電話で探して見つけました。送料をケチるどころか、自分にはけっこう大当たりで、執念深く追いかけました。譲っていただけるオファーがmixiであり、ありがたいことでした。
変な話、送料無料の金額ギリギリで納める、ということが、私のような人間にはちょうどいい制約になっていて、目安にすることがよくあります。
mixiで同じ日記を書いているのですが、レコード屋さんお二人からの送料の話があり、興味深く読みました。現場からのご意見に、私のような素人がコメントする余地などないのですが、あることを思い出しましたので、紹介します。
私がファンで、ときどき名前を出す作家・日垣隆が、2年前にメルマガのオフ会として「通販講座」を開いたことがあり、私も出席しました。内容は「買い物はエンタメである」をスローガンに、ネットを利用しての売る側と買う側の智恵とノウハウを後悔し、共有しよう、というものでした。その講義録は、PDF出版でサイトより購入できます。(http://www.gfighter.com/0004/20060729001862.php)
その中で、印象深いフレーズは以下のようなものでした。
いずれ2年後くらいにはネット書店の送料はすべて無料になると思います。メール便にしてしまえば1冊100 円ちょっとで本を送れますし、相手の印鑑や承認なしでもポストに入れられます。メール便は時々なくなることがありますし、思った以上に配達の日数がかかることが時々ある程度で、かなり便利なものだろうと思います。
(サービスが悪くても)アマゾン商法というのを全面否定はできません。お客が相当不満を募らせるだろうことが分かっていなかった場合はかなり問題ですが、そこを確信犯で切り捨ててきている場合には、それはそれで一つのビジネスモデルだろうと思います。
実際に、1冊から送料無料、という本屋が出てきています。(http://www.boox.jp/) 社長は元運送会社勤務で、その知識を利用して、いかに配送コストを抑えるか、ということに腐心したそうです。私はまだ利用したことがありませんが。(紹介記事 http://v.japan.cnet.com/column/select/story/0,2000067543,20350768,00.htm)
その一方で、mixiのレコード屋さんのコメントにあった、「(送料は)もうこれ以下には下がらない。底値が上がってきているのでしょうか。 」というご意見もありました。これは、本と中古レコードという扱う商品の性質による違いなのでしょうか。
そして、上の講義録を「送料」で検索すると、参加者の意見として、実に多くの言葉が出てきます。
一番大きいのは、送料が無料のことです。これが一番「嬉しく」感じます。
日垣 この210 円のものを送るとしたら、送料はいくらなのですか?
A参加者 うちの会社では350 円からとなっています。
日垣 えっ! 210 円のものを買うのに350 円の送料!?(会場ざわざわ)
……この反応をよく噛み締めていただいた方がいいですね(笑)
(オークションで出品し、落札者の住所が古く)それでこちらが送った本がエラーで戻ってきてしまったのですが、再送付にかかる送料は敢えて請求せずに優しく許してあげました。本人はものすごく恐縮したようでして、こちらがいらないと言っているのに後日送料分の切手を郵送してきてくれました。
送料は、売り手買い手にとっても、相手のことを考えているという誠実さの指標として扱われている面がある、と今回読み返してみて気づきました。
そういえば、アメリカは何で船便を廃止しちゃったんだろう。アメリカのレコード店でセールをやっていて、ネットで注文したら、飛行機での送料でセール分がチャラになってしまいました。
「送料」を追いかけていくと、また新たな気づきがありそうです。