特撰 其の壱

高円寺のバー、コネクシオンでDJと落語のイベント『特撰 其の壱』があった。

落語の時間に間に合うように行ってみれば、バーカウンターの上に座布団を敷く、という大胆不敵。カミヤ亭ブラっち師匠は、10年ぶりというが堂に入った雰囲気で噺をしていた。それと同時に緊張感も伝わってきて、過去に自分が人前でやったパフォーマンスの緊張感と重ね合わせて、息苦しくなった(もちろん悪い意味ではなく)。こうしてバーで何かのパフォーマンスをじっと見続ける、というのも珍しい。

2席目は、ややリラックスした雰囲気で、地元に近い現代の足立区が舞台だったことも楽しめた。

今さらながら、なぜ落語は(発生したということもあるだろうが)江戸時代が中心なのか、そしてある程度の年齢を重ねた人を登場人物の中心に据えるのか、という素朴な疑問が沸いた。今の時代に生きている若い落語家は、その辺をどうしているのか。

DJ陣も腕が確かな人たちばかりなので、安心して聴いていた。とくにマイミク毛呂山くんの和モノを中心としたレコードを聴いていると、収束させないで爆発している人の強み、というものを感じる。私は体系づけないと物事を理解できないタイプなので、そんなふうに自分の世界を構築できる人をうらやましく思う。

帰宅して今日は何もやる気が起きずただぼんやりしていたが、コネクシオンの中で買った、『The Mod Scene』をまずはイントロだけ続けて聴いた。ふだん聴いているジャズとは違った、踊りだしたくなるようなビートばかり。これはいい編集盤。

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