NHKスペシャル『人事も経理も中国へ』

私の先輩社員が、「見て興味深かった」というので、再放送をチェックした。

日本の人事、経理など、ホワイトカラーの仕事が中国に流れている。中国でのワーカーの給料は、日本の5分の1以下である。漢字文化圏同士、言葉の壁も崩れてきて、グローバル化の波が訪れている。

通販のニッセンは人事と経理の約半分を中国にアウトソーシングしている。ノウハウはすべてマニュアル化され、経験のない中国人でも仕事ができる。総務の仕事もその影響を受けた。日本メンバーは必死に抵抗するが、上はアウトソーシングできるはずだ、コストもこれだけ下がる、と理詰めで攻めてくる。総務のメンバーの顔は不安で曇り、プライドは吹き飛んでしまった。「今後どうしたいのか」と脅迫的にも聴こえる質問が続く。

大連では、学生も日本語の学習に意欲に満ち満ちている。団地ができるほど企業が集結しており、そのサポートセンターでは、中国訛りを徹底的に直される。日本人と見分けがつかない。

はじめはアウトソーシングに納得の行っていなかったメンバーも、中国スタッフの研修を通じて、彼らの素直で意欲的な態度に好感を覚えるようになる。給料一月分をはたいて、電子辞書も買ってきていた。それにひきかえ、自分自身の仕事は何だったのか。自問自答しながら新たな資格の勉強を始めている。

アウトソーシングのテスト運用の日。中国人スタッフの仕事はほぼ完璧だった。そして、新たな資格に合格した日本のメンバーは、営業として外を歩き始めた。

2015年までに、日本から40万人分の雇用が中国に流出するといわれている。

私も中国の開発メンバーといっしょに仕事をしたけれど、IT開発だけでなく他の分野も同様だ、ということがよくわかった。今日、昇進に関する話し合いをしてきたせいもあるのか、特別な感慨をもってこんな番組を見ていた。