対談

宮台真司竹熊健太郎エヴァンゲリオンについて対談したらしい。(id:rararapocari:20070909)

(映画鑑賞後)
実は、本番はそのあと。


映画館をあとにして、ジャズフェス会場まで徒歩で移動する間に、iPodに入れていた「ヱヴァンゲリヲン新劇場版公開記念 深夜の緊急対談」宮台真司×竹熊健太郎(⇒コチラ)を聞き始める。


その後も、移動中にちょくちょく聞いて、全140分以上という、映画よりも長い内容を、映画以上の興奮度を持って(笑)聞き終えたのだった。


宮台真司が主に語っていたのは、社会学、宗教面からのアプローチ、そしてエヴァンゲリオンが生まれた1995年という時代背景と現在の違いなど。かつて何度も読んだり聞いたりしたものだけあって非常に共感しながら聞いた。

エヴァンゲリオンは、映画で最終回が公開された当時も、わざわざ一人で上野へ見に行った。いま公開中の映画を見るかどうかはわからないが、たぶんずっと気にし続けるだろう。「本番はそのあと」と言うぐらいだから、対談内容はよっぽど面白かったのだろう。

私は対談番組や記事が好きである。とくに長ければなおさら。理屈っぽい話が好きなのもあるだろう。好きな対談はほとんど暗記してしまう。

いま思い出したのが、かつて糸井重里がラジオで放送していた対談、というより段取り一切無しの雑談番組"ザ・チャノミバ"に小堺一機がゲスト出演したときの、勝新太郎の演出の話だった。

小堺一機が芝居学校「勝アカデミー」で勉強していたころのこと。
ある稽古で、勝新太郎が女の子と男の子に芝居をさせた。「おまえはさ、どうしてもこいつの部屋に上がって一発やりてえんだよ。で、おまえは絶対に上げたくないんだ。いいな」という状況を与える。「ねえ、いいじゃん」「本当にだめなの」素人芝居なので、見ていてかったるくなった勝新太郎は、男の子を外に出し、女の子にこう言った。
「おまえに家に上げない理由をやるから。いいか、押入れに男のバラバラ死体が隠してあるんだよ。」
男の子を戻して、芝居を再開させる。「ねえ、いいじゃん」「…だめ」それだけで女の子がものすごくかわいくて怖く見える。女の子が最後に「本当に上がりたいの?後悔しない?」と言ったとき、皆どよめいた。男の子も何も知らないで芝居をするから怖い。演出は手取り足取りじゃなくて、どう観客に思わせるかだ、と小堺青年は悟った。

それを聴いた糸井重里は、「演出って、心が先なんですね。」とつぶやいた。