季節に咲く花

地元の本屋で、偶然、これまた地元の旧友(以下、I)が、数年ぶりに声をかけてきた。自分の世代にはよくあることだが、Iはやや太っていた。せっかくなので、近所のマクドナルドで話した。それにしても、マクドナルドのコーヒーは、もう少し何とかならないものか。

自然と昔話が始まるのだが、Iによれば、私はどう接していいかわからないが、なぜか関心はあって、「ボタン」を押してみたくなるタイプだったらしい。そのせいもあってか、話題は今まで私がどうしていたか、ということばかりだった。これでは、形を変えたtwitterではないか。何度も「こんな話題、面白いのか?」と訊いたが、Iには面白いらしい。

「atnbが周囲とのコミュニケーションに苦労していたのは知ってたよ」
今もそうだよ。友達付き合いも減ったし。深沢七郎(『楢山節考』の作者、アンチ・ヒューマニズムの人)の言葉に、<<友達は、季節に咲く花>>っていうのがあってね。時期が来て離れてしまう友達がいても、それを嘆いてはいけない、ということらしい。そういう言葉で、いくばくか気が楽になっている。
「へえ、そういう意味にとったのか。おれは違う意味にとったけどな。」
どんな?
「めぐり来る季節に、必要なもの、という意味。」

…。

気がつけば、酒も飲まずに3時間が過ぎていた。
Iには、今度3人目の子どもが産まれるらしい。