ささきまき『やっぱりおおかみ』
マイミクシィの一人が、日記で触れていたので読んでみた。一匹だけ生き残ったおおかみは、仲間を見つけられるのか。
- 作者: 佐々木マキ
- 出版社/メーカー: 福音館書店
- 発売日: 1977/04/01
- メディア: 大型本
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全31ページ。絵本だからすぐに読み終わる。「影」として描かれるおおかみは、うさぎやぶたと触れ合おうとするが避けられてしまう。そんなとき、おおかみは「け」とつぶやく。しかし、仲間に入りたい、という気持ちは消えず、おおかみは、さ迷い歩く。
絵本に描かれているうさぎたちの顔は、どこか奇妙だ(ほかの動物はそうでもないのに)。
「君が世界とうまく行っていないとき、周りの奴が変な顔に見えるものだ」、と歌ったのは、ドアーズだったか。
こういう本を読んで、何にも感じない大人はいるのか。それは常に人間関係に恵まれた人なのか。私は、今まで何度「け」とつぶやいたか(とくに学生時代)。しかし、ある程度年齢を重ねた今なら、うまくやり過ごす方法も少しはわかるし、一人でいるのが好きな自分も自覚できる。
最後、おおかみは悟りを得る。しかし、大人になってから悟りを得ると、そこまでの道のりが遠いことも同時にわかってしまう。なかなかうまくいかないものだ。