続・全国一千万人のファンの皆さん

トラックバックをもらった(id:rararapocari:20060209)ので、もう少し書く。まあ、なんとなく書いたところに見事に突っ込みますよね(笑)。

「プロレスファンで無い人は、プロレスをどう見ているのか。」結論から言えば、プロレスファンで無い人は、プロレスに対して、良いも悪いもなく、八百長かどうかも含めて、ただ「関心が無い」というのが正しいのではないか、と僕は思う。 また、マスコミでの取り上げられ方を見ての推測は、あまり意味をなさないのではないか。マスコミでは、政治家もプロ野球選手も芸能人もIT企業も、たいがい「よく思われていない」。よく思われているのは、タマちゃんとど根性大根だけだ。(これはイチャモンだが。) さらに、「あいのり」とか「ガチンコ」などのバラエティだけでなく、ドキュメントなどにもヤラセが横行している世の中で、普通の人のテレビ番組に対する興味は、「やらせ(八百長)」かどうかと無関係に、ただ、それを見て面白いかどうか、というシンプルなものになっていると思う。 プロレスも、そういった視聴者のニーズがわからなくなって右往左往している一面もあるのだろう。

実は、私もそれほど熱心なプロレスファンではない。年間で見に行く試合数は一か二程度。スポーツ新聞や雑誌は読まないで、地上波のテレビで試合をチェックするだけである。それも、かつてゴールデンタイムで隆盛を誇った時代から遠く離れて、今では放送時間が30分程度しかない。それでも、プロレスが好きか、と言われたら、「はい」と答える。

プロレスがもはや大衆に関心を持たれていないジャンルであることはよく知っている。それは、プロレス界が大衆を取り込むことに失敗し衰退してきた歴史があるから、当然である。
私が気に入らないのは、「関心が無い」→「自分がわからないものに価値を低くつけても良い」という発想の結びつきで、「八百長だ」と平気で言ってしまう人のことである。プロレスをよく知っていて言うのなら議論にもなるが、「八百長」とプロレスファンの前で平気で言ってのけるのは、たいてい、ろくにプロレスを見たことも無い人である。その意味も無く得意げに膨らんだ鼻の穴に向かって、「知らないんだったら黙ってろよ」と言いたい。

八百長」について、もう少し言っておくと、アメリカのWWEのように演出やレスラーのキャラクター、そして台本がすべて会議で決められていて(もはや八百長の概念から外れている)、それが人気を博しているプロレスも、それなりに好きです。WWEに在籍したこともある鈴木健想和泉元彌の試合は、大笑いで楽しみました。「よくやったよね」という意味で。

これは、プロレスラーも口にしていることだが、どうしてプロレスは他のスポーツより一段低く見られている、あるいはそういう印象を受けるのか。そんなことをマスコミ、とくにテレビを見ていてそう思う。プロレスラーはバラエティ番組に出て、お笑いの人といっしょに「凶暴な道化役」を買って出てしまう機会が多いからだろうか。

あ、そういえば、最近の「鬼嫁」北斗晶の露出の多さには驚く。この人はキャラクターと同時に、コメントの切れの良さが評価されているように思う。*1。たとえば、フリーの高山、鈴木みのる、新日本の蝶野、ノアの三沢、秋山などのレスラーが、頭のインサイド・ワークの良さをアピールすることによって、アスリートとしての評価を上げてくれないかなあ、と少し期待したりもする。

話をもう少し広げて、rararapocari が言うように、大衆の意見の代表としてマスコミを参考にしても仕方が無い、とは思う。でも、それ以外に当てになるものがわからない。rararapocariは、

政治家もプロ野球選手も芸能人もIT企業も、たいがい「よく思われていない」。

というが、皆というわけではなく、好かれている人もいるだろう。それは、マスコミが「好き嫌い」「有名無名」などというカテゴリで分けて、過剰にわかりやすくしていることが多い、という結果のひとつだと思っている。持ち上げるものは持ち上げる。落ち目が見え始めれば叩く。そして、たとえば「好きではないが評価する」という、ある程度の時間をかけて検証する姿勢を持ちにくいのでは、と思う。

「やらせ(八百長)」かどうかと無関係に、ただ、それを見て面白いかどうか、というシンプルなものになっていると思う。

という点については、上のような筋の考え方において、時間をかけずにすぐ好意的かそうでないかを判断させる、という点で同意します。

時間をかけて判断する、といえば、曙については、プロレス界での活躍を、もう少し見守っていいと思いますよ。昨年末のボビー戦は失敗だったと思うけど、曙のプロレスは、「極(き)める」ものではないですからね。

*1:北斗晶は現役時代から、神取忍と抗争を繰り広げたその強さと、マイクアピールのうまさが際立っていて、私は注目していた。