カンコンキンシアター19 『クドい!』 つけ乳首に御用心!(8月の想い出 2)

今、お笑いで一番とりにくいチケットのひとつに、カンコンキンシアターが挙げられるでしょう。最初の公演(1989年)は、関根勤やまだ無名のルー大柴ラッキィ池田たちと実験的なコントを浅草の常盤座(ときわざ)で数多く繰り広げ、それをマニアックなお笑いが好きな人だけが集まって見ている、という雰囲気でした。その後、関根勤のテレビの露出が増え、ルーやラッキィがその知名度を上げ、キャイ〜ンもメンバーに加入し、いまやチケットは発売当日で完売、ネットのオークションで高値で取引されるまでになりました。今年、私がようやく取れたチケットは平日の1枚きりで、いっしょに行きたかった友人とはやむを得ず別れ別れで見に行くことにになりました。それでも、仕事で見に行くことが難しくなり、直前にオークションでチケットを売って、休日の分を落札して振り替え、ようやく観に行くことができました。

カンコンキンシアターは毎年8月の上旬に行われていて、ある時期からコントのフォーマットはほぼ前年と同じ、というスタイルを続けています。ただ扱われるネタの内容だけが時とともに移り変わっていて、乱暴に言えば、マンネリなのかもしれません。しかし、そのネタの内容は常に批評であり、おそらくは関根勤本人が考えている芸能・スポーツ・音楽のおかしなところを次々と斬ってみせる(別名『ウラ関根』)痛快さが中毒性を持ち、私をはじめとした固定客をつかんで離さないのです。しかも、それはテレビで決して見ることができず、会場であるシアターアプルでしか見られない、となれば尚更です。その客席には芸能人が来ていることも多く、タモリはふだん他人の舞台を観に行かないのに、カンコンキンシアターだけは「まったく何の役にも立たないのがいい」と、毎年足を運んでいるそうです。

今年、とくに私が受けたネタは、ウド鈴木が高校教師に扮し、女子高生の服装の乱れを注意するが、逆にいいようにからかわれてしまう、というコント(いじられる、ということにおいてウド鈴木の右に出るコメディアンはいないと思います)と、関根勤が偉い学者に扮してインタビュー中に自分の嫌いな役者やミュージシャン(例:カウントダウンTVに出演した若いミュージシャンの態度の悪さ)を斬って捨てる、というものでした。

ひょっとして、観に行きたい、と思いましたか?

が、決してお勧めしません。自分が今後チケットを取りにくくなるのを恐れて言っているのではありません。観に行った後で、「意味がよくわからなかった」と後悔することにならないように申し上げています。それぐらいマニアックなのです。

  • 芸能、スポーツ(とくに格闘技)のネタに強い
  • ラッキィ池田のひどい下ネタにも耐える自信がある
  • たとえ一人きりでも観に行きたい(むしろ友達とは行かないほうがいい)
  • TBSラジオの『コサキン』を3週ほど聴いてみて面白いと思う
  • WAHAHA本舗を見て面白いと思う(系統が近い莫迦莫迦しさ)

以上の条件にあてはまる方は、観ても問題なく楽しめるだろう、と思います。また、旗揚げ当時からの出演者の一人である山中伊知郎*1ラッキィ池田*2がブログを始めています。参考にしてみてください。

これを観ないと、夏を迎えた気がしないんですよ。