Sakerock インストア・ライヴ@HMV渋谷

最近、体調を崩したらしく、風邪気味で咳が止まらない。そのせいで夜はよく眠れない。しかたなく昼寝をして、起きたのが午後3時。あ、今日は、Sakerockインストアライヴがあったのだ。危ない。

開演ぎりぎりになって会場にたどり着くと、50人を超える程度の人だかりが。正直、「タイガー&ドラゴン」効果で、もっと観客がいると思っていた。メンバーは、HMVスタッフの黒地に赤いアクセントの入ったポロシャツを着て登場した。アルバム『Life Cycle』の宣伝写真では独自のファッションをしていたから、それに比べるとずっとさわやかに見えた。本当にスタッフかと思ったぞ。でも、ただ一人、トロンボーンスキャット兼司会の浜野謙太氏(ハマケン)だけは、その上に金ピカジャージの上下。

LIFE CYCLE

LIFE CYCLE

ニュー・アルバムの曲を何曲か演奏していたが、7インチにもなった『穴を掘る』は、メロディーが抜群にいい。これぐらいの曲がコンスタントに作れたら、相当にすごいバンドになるのではないか。
演奏面では、ライブバンドとしての安定感は、相当に確立されている。若いのに。希望を言えば、ハマケンのトロンボーンがアドリブ・プレイのところでもっと歌えるようになったら、もっと聴き手をひきつけられると思う。もっとも、彼らのメロディーはちょうどブルースのようであり、派手な音楽ばかり聴いている私には、まだ理解が追いつかないのかもしれない。それから、ギターの星野源氏がメロディー弾いたりとかするとうれしかったりして。でも、そうしたら彼らのスタイルが崩れてしまうのかな。それにしても、星野氏はあごと首に無駄な肉がなくてシャープだ。ドラマや舞台をやっているせいなのか。

ハマケンの司会のバカっぷりがすごい、というのを聞いていて、それも見どころだった。思いついた言葉の数々をハイテンションでお客さんにぶつけ、それに行き詰まると、メンバーに助けを求めつつ振るが、放っておかれてますます追い込まれて、苦し紛れの一言が、さらに笑いを呼ぶ。そのファニー・フェイスは品川庄司品川祐に似てるかも。
しかし、ハマケンのMCを聞くうちに、彼の真面目さが伝わってくるようで、不思議な感覚にとらわれていた。実はすごく計算しているのかなあ、などという裏読みも、もはや陳腐なものかもしれないが。ハマケンの「HMVのポイントカード作らないと、お前の買ったCDを食べてしまうぞー」に、私の目の前の幼児が大うけ。ハマケンがなぜか中指を立てつつ水を飲んでいるときに、私の目の前の幼児が「なんでのむのー?」と叫んで、会場大うけ。

ライヴ終了後の会場では、CDを買った人の特典として握手会が始まっていたが、私はディスク・ユニオンで買って、特典のCD-Rを手に入れるために移動した。まあ、むくつけき30男に握手されても、メンバーは困るよなあ。こっちは「ミーハー握手マニア」(字で書くとちょっとこわい)だからかまわないけど。