自意識過剰

ハイファイ・レコードストアにて。BGMは、ジェームズ・ラストとアストラッド・ジルベルトが歌う「ソーホーのサンバ」だった。

あ、あの、こんにちは。
松永さん「あ、こんにちは。」
今日は所用のついでによって、時間がないんでっ。挨拶してフライヤーだけもらおうと思ってっ。(早口)
「こっちにも新しいのがありますよ」
どうも。あのっ、フィンガー・スナッピン・シリーズ2枚買いましたっ。

ウィズ・ザ・カイ・ウィンディング・トロンボーンズ

ウィズ・ザ・カイ・ウィンディング・トロンボーンズ

カーテン・タイム

カーテン・タイム

アクシデンタルズのほうはラテンのリズムに乗っかったコーラスがきれいだし、すぐに好きになったんだけど、ジャック・ジョーンズのほうはまだわかりません。渋すぎちゃって。また小西さんに修業が足りないって言われちゃう。
「ははは。好きだと言っていた、アラン・コープランドより先に買ったんだ。」
ああっ、それは、そのっ。(激しく動揺)
「あと、ブログも見たよ。」
ぐわっ。(さらに動揺したが、態勢を立て直す) ネットと言えば、私は最近始めたんだけど、mixiってやってますか?
「周りの人もやってるんだけどねえ、ぼくはいいかなあ、時間なくなりそうだし…」
そうですか、じゃ、すみませんが今日はこの辺で、また来まっす。(逃げるように去る)

ひどく緊張した。なぜか考えてみたが、「何も買わないつもりで来た」ということに、ものすごく申し訳なさを覚えていたようで。でも、何か買うつもりだったとしても、音楽について変なことを言ったりしないかと、ドキドキしまくりなのである。わざわざ緊張しにレコード店に行く人間が、どこにいるのだろうか。たぶん、自意識過剰から来るものだろう。