もう図書館に返しに行かなければいけない、ということはないが

先生はえらい (ちくまプリマー新書)

タイトルから、内容は教育論だろう、という当たりはつく。しかし、実際に読んでみると、「コミュニケーションは誤解の余地を残して構造化されている」ということを、（ちくまプリマー新書なので）中高生にもわかるように説き明かしている。ということで、読んで満足しました。そして、私の理解のレベルは、中高生を対象にしているものが、ちょうどいいということもわかりました。べつに、自分を卑下しているのではなく、何か新しい知見を得ようとするときには、このぐらいからはじめれば、退屈も挫折もすることもない、ということです。

筆者、内田樹氏の文章の印象は、知っている範囲で言えば、「日垣隆と橋本治を合わせた感じ」。論理を積み重ねてえんえんと説明することが、エンターテイメントになっている。